サラリーマンから学校の先生へ~大城さんの挑戦

大城さんは沖縄出身の36歳。35歳で教員採用選考試験に合格し、今年4月に都内の小学校に採用されました。小さな頃から小学校の先生になりたかったという大城さん。教育学部のある大学への進学を決め、受験勉強を頑張っていました。

ところが、2度の大学受験に失敗。仕方なくすべり止めで合格していた大学の人文学部に進学しました。そして卒業後は食品会社に就職。営業マンとして忙しく飛び回る生活が始まりました。

仕事を始めた頃はとても楽しかったです。給料も悪くなかったし、自分が頑張った分だけ認めてもらえる。いつの間にか、学校の先生になりたいという夢は忘れていました。

そんな大城さんが、先生になりたいと思い始めたのは30歳を過ぎてから。仕事にマンネリ感を感じ、スキルアップしたいと考えるようになったそうです。これから取得できる資格には何があるだろうと調べていたところ目にしたのが「小学校教員資格認定試験制度」。この認定試験に合格すると、小学校の教員免許が授与されることを知ったのです。

 —これだと思いました。その時はまだサラリーマンを辞めて先生になりたいという思いはありませんでしたが、いつか他の会社に転職したいと思っていたので、履歴書に「教員免許」と書きたかったんです。それで認定試験を受けてみることにしました。

この小学校教員認定試験の受験資格は2つだけ。

   ア 大学(短期大学を含む)に2年以上在学し、かつ、62単位以上を修得した者及び
   高等専門学校を卒業した者並びにこれらの者と同等の資格を有すると認められる者

   イ 高等学校を卒業した者その他大学に入学する資格を有する者で、平成○年(受験
   する年度)4月1日における年齢が
20歳以上の者

 
大城さんはそのどちらもクリアーしていました。

早速書店でテキストを買って勉強を始めたんです。32歳になっていました。その年の試験には自信もあったのですが、結果は不合格。やはり独学では分からないことが多いと気がつきました。それで、大学の通信教育で教員免許を取ろうと思ったのです。

33歳で大学の通信過程に入学。2年間の在学中は、仕事と勉強の両立に苦労することもありました。一番困ったのが教育実習。仕事を2週間あまり休んで行いました。

仕事を休まなければならなかったのは気が重かったのですが、理解のある上司に助けられました。人間は死ぬまで勉強、という考えの上司だったのですが、教育実習を無事に終えた時も、免許を取得し卒業した時も、自分のことのように喜んでくれました。

学校現場の雰囲気に触れることのできた教育実習。先生方、子どもたちと関わることで、「先生になりたい」という思いを再び抱くようになりました。そこで一大決心、仕事を辞めて非常勤講師として都内の小学校に勤め始めました。

非常勤講師として実際に教壇に立ったことで、ますます先生になりたいという思いが強くなりました。その夏の教員採用選考試験を受験し、合格できたときの気持ちは、言葉に表すことができません。本当に嬉しかったですね。

「先生になりたい」という子どもの頃からの夢を、少し遠回りしながらも実現した大城さん。サラリーマンとして勤めていた時間は決して無駄ではなかったと言います。

サラリーマンをしていたからこそできた経験がある。その経験から学んだこともたくさんあるんです。それを教育という形で子どもたちに還元できる。サラリーマンだったことで、広い視野から子どもや学校を見ることができると思います。

閉鎖的であると批判されることの少なくない学校。大城さんのように社会人経験者の先生がもっと増えていくことで、学校現場に新しい風を吹き込むことができるのかもしれません。

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